10/04/2024

ニューリリース : ペルー『フェスパ農園』ティピカ種

コーヒー生産地として豊富な環境を持つ南米の中でも、ブラジル、コロンビアに次ぐ生産量を誇るペルーですが、コーヒー・ブランドとしての知名度は、まだ確立されているとは言えません。
多くは山奥の産地で栽培され、インフラの整備不足などの要因もあり、その大部分は汎用品です。

そんな中『フェスパ農園』は、ペルーの農園などでよく見られるさび病の被害などとは無縁の、非常に標高が高く、急斜面ながらキレイに区画整理された、すばらしいカップを実現した農園です。

飲み口は爽やか、ソフトな質感でバランスが良いですが、柑橘の程よい果実味が残り、心地良い口当たり(粘性)を感じつつ、最後まで濁りのない清涼感を味わうことができます。まさに良質なティピカらしいクリーンさと言えるでしょう。

アラビカ種の中でも、ティピカは最も原種に近く最も古い品種のひとつです。しかし生産性が低い上、品種改良の対象となってしまったり、他の品種と混在して流通することも多く、減少の一途をたどる現状と言えます。
先述の通りティピカはコーヒーの原点のひとつとも言えますので、基準の香味を理解することが味覚を磨いていくための大切な要素です。

1960年に設立されたフェスパ農園、3代目にあたるウィルダー・ガルシア氏は、自らの希望で18歳の時にエクスポーター主催の農園指導員研修に応募し、農園管理について学びました。
実家の農園でその内容を実践し、生産性・品質双方で飛躍的な向上を実現したため、現在では農園指導員の一人として活躍するとともに、フェスパをモデル農園(※)として開放し、他の生産者が直接訪問し学べる場所としています。

本日よりシティ・ローストにて販売いたします。

生産者 : ウィルダー・ガルシア
産地 : カハマルカ県 ハエン郡 ウワバル地区 ウアコ
標高 : 1,700m~2,000m
品種 : ティピカ
精製 : 発酵槽を使用した伝統的ウォッシュト

※モデル農園
高齢の生産者は木を切らないという慣習を持っていたり、セミナーや指導だけでは実践に踏み切る農家が少ないため、推奨農法を実施している農園を指定。剪定や施肥、どういった樹間で植えるかシェードコントロール、収穫から乾燥をどのように行うかなど、実際に見て結果を確認してもらうことで、農家が納得し実施できることを目的としています。実際Wilder Garcia氏は剪定やカットバックを行い、生産性の改善を行おうと父親のOracio氏に相談しましたが反対…。話し合いの末1haを試験的に実施し、効果を確認できると農園全体に対し行うことを実現しました。現在Wilder氏は200農家を担当していますが、知識と実績を兼ね備えていることで、若いながらも高い評価と信頼を得ています

















9/30/2024

【10月7日】臨時休業のお知らせ

平素よりEBONY COFFEEをご愛顧いただきありがとうございます。

さてまことに勝手ながら、10月7日(月)は都合により臨時休業とさせていただきます。
ご不便おかけしまして大変恐縮ですが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

9/26/2024

ニューリリース : エチオピア『ハンベラ "ゴロ・ベデッサ"』ウォッシュト

当店でも大人気のエチオピア、こちらはウォッシュト精製のリリースです。
今回は先行販売しているナチュラル精製に続き、グジのハンベラ・ワメナ・ウォレダ(=市・町・村)で生産された、素晴らしいカップクオリティーを持つニュークロップをお届けします。

グジゾーンはイルガチェフェのあるゲデオゾーンと接しており(標高は全体的にゲデオ側よりも高め)、ハンベラやウラガは、コチェレ、ゲデブに接する地区です。そのせいか、香味の傾向がイルガチェフェ(特にゲデブ)に非常に近いと感じます。
今回リリースする『ゴロ・ベデッサ』も、スパイシーでフローラル、そして洋酒のようなフレーバー溢れる最高のナチュラル・コーヒーに仕上がりました。

ステーション(精製所)のオーナーであるメクリア・メルガ氏は、当店でも何度も取り扱っているイルガチェフェ『ウォテ』、ハンベラ『ベンチ・ネンカ』、ゲデブ『ゴティティ』などのW.S.を設立し、さらには輸出業者をも立ち上げた、農家やチェリーの集売業者からの信頼も厚い生産者の一人です。

フローラルな香り、柚子やマスカットのような甘味、柔らかく滑らかな口当たり、ウォッシュト精製ではあまり感じることのできない赤い果実のニュアンスもあり、その心地良い余韻を満喫できます。
華やかで鮮やか、フルーティーでクリーンな味わいが際立つコーヒーですが、厚みのある質感も特徴的で、その複雑で多様性のある香味に魅了されることでしょう。

本日よりハイ・ローストにて販売いたします。

精製所 : ゴロ・ベデッサ・ドライング・ステーション
所有 : メクリア・メルガ
生産者 : ゴロ・ベデッサ周辺の農家
産地 : オロミア州 / グジ ゾーン / ハンベラ・ワメナ ウォレダ / ゴロ・ベデッサ ケベレ
標高 : 2,400m
品種 : 在来品種
精製 : 発酵槽を使用したウォッシュト




9/19/2024

ニューリリース : コロンビア『タマ・マウンテン』

コロンビアといえば、広い国土にそれぞれの個性を持つコーヒー産地が数多く存在します。
当店ではこれまで南部のナリーニョ、ウイラ、カウカ、トリマ、中部クンディナマルカ等々、さまざまなエリアで生産されたコーヒーを取り扱ってまいりましたが、こちらはベネズエラと国境を接する、北部「ノルテ・デ・サンタンデール」のコーヒーです。

トレード村の小農家で生産され、近くの山の名前をブランドとして冠した『タマ・マウンテン』。トレード地区は歴史あるコーヒーの生産地で、原種であるティピカが多く残っていました。こちらでもそのティピカ種をメイン(55.4%)に栽培が行われています。
当店では開業当初からずっと取り扱っていますので、ご存知のかたも多いのではないでしょうか。

オレンジ系の柑橘の果実味が華やかに広がり、完熟の甘味が余韻として残ります。厚みのあるしっかりとしたボディがあり、明るくバランスの良い、毎日飲んでも飽きのこない香味です。

本日よりシティ・ローストにて販売いたします。

生産者 : トレード村の農家
産地 : ノルテ・デ・サンタンデール県 / トレード村
標高 : 1,500m~1,800m
品種 : ティピカ、コロンビア、カスティージョ、カトゥーラ、タビ
精製 : 発酵槽を使用したウォッシュト







9/09/2024

ニューリリース : インドネシア『マンデリン "オナンガンジャン"』

高品質なマンデリンを生産するスマトラ北部、中でもトバ湖のすぐ南に位置する「リントンニフタ」、その西に位置する「ドロクサングル」、さらにその南にある「オナンガンジャン」の3地域は、非常に良質な栽培地として有名です。
本商品はオナンガンジャンで生産された、稀少なクラシック・スマトラ(※)のコーヒーです。待望のニュークロップ(23-24)が入荷しました。

このマンデリン『オナンガンジャン』は、現地でもわずか1%未満しか生息していない、ティピカ系在来品種だけを厳選した単一ロットです。

一般的に流通しているマンデリンのような重く濁った苦味はなく、フローラルな甘い余韻が持続します。また他のスペシャルティ・マンデリンとは明らかに異なるクリーンさが際立っています。
まるで深い森林にいるような独特の香り、ハーブのアロマとトロピカルフルーツの甘味、滑らかでクリーミーな食感、バターを浮かべたような濃厚なコク。

スマトラ式という特殊な精製特有の良さも活かされた、極上のカップ品質といえましょう。
そのエキゾチックで複雑な香味は、決してほかでは味わうことのできないすばらしいキャラクターを備えたコーヒーです。

本日よりフレンチ・ローストにて販売いたします。

産地 : 北スマトラ州 / フンムバン・ハスンドゥタン県 / オナンガンジャン
標高 : 1,400m
品種 : クラシック・スマトラ(オナンガンジャン)
精製 : スマトラ式

※クラシック・スマトラ : 1876年スマトラにおいてもサビ病が発生し壊滅的被害をもたらしたこと、その余波としてロブスタやハイブリッド品種への植え替えが進んだことで、当時スマトラで栽培されていたティピカ種は失われたと考えられていました。しかし後にスマトラ島の奥地であるトバ湖周辺において、当時栽培されていたティピカ系在来品種の生き残りが再発見されました。現地では発見地により、バーゲンダル、シディカラン、ガロンガンと呼ばれています。





9/01/2024

ニューリリース : 季節のブレンド『ビストロ』

まだまだ暑い日が続きそうですが、好評をいただいておりました夏のブレンド「サニー」にかわる、季節のブレンドの登場です。

『ビストロ・ブレンド』フルシティ・ロースト。

ディナーのあとに飲みたくなるコーヒーをイメージして作りました。
華やかな香りに豊かなコク、ボルドー産の赤ワインを連想させる芳醇なアロマが、余韻として心地良く残ります。

まさに食欲の秋にピッタリの、旬の良質な豆をたっぷりと使用したとても贅沢な味わいです。

本日より販売いたします

8/24/2024

ニューリリース : コスタリカ『サンタテレサ2000農地』

コスタリカ・コーヒーの約30%(国内1位)はタラスで生産されていますが、このタラスはさらに3つのエリアに分けることができます。西部のレオンコルテス市、中央のタラス市、東部のドタ市、いずれも世界的に有名なコーヒーの名産地です。

「サンタテレサ・マイクロミル(※)」は、タラスの東部ドタにあります。ドタはカリブ海からの湿潤な風の影響を受ける、優れたコーヒーを多く生産しているエリアです。
こちらのミルが所有する農地のうちの1つ、その高すぎる標高から名付けられた『サンタテレサ2000』は、当店でも過去にこのカトゥアイをはじめ、ティピカやゲイシャも販売しましたので、ご存知のかたも多くいらっしゃるでしょう。

まずアロマの段階からジューシーな香りが広がり、柑橘に加えアセロラやライチのような華やかな果実味、質感はしっかりあり柔らかな粘性を持っています。
上品で非常にクリーンなカップクオリティーです。
心地よく続く甘い余韻を、ぜひぜひご堪能ください。

本日よりシティ・ローストにて販売いたします。

マイクロミル : サンタテレサ
農地 : サンタテレサ2000
所有 : ロヘル・ウレーニャ
産地 : サン・ホセ州 / ドタ市 / サンタマリア
標高 : 1,950m~2,050m
品種 : カトゥアイ
精製 : 機械的にミューシレージを除去したウォッシュト

※サンタテレサ・マイクロミル
2010年にサンタテレサのカトゥアイが植えられている部分を購入。2012年にその上部の牧草地を購入し、2014年そこにミルを設立しました。設立年はまだ設備が完全に整っていなくて少量精製でした。翌年、処理量の大きい機械を導入し、乾燥設備の充実も進めており、品質、量ともに成長著しい、将来性が期待できる生産者です。