4/17/2023

ニューリリース : イエメン『ハラーズ "バニ・ナヒミ"』イエメニア品種 ナチュラル

☆完売しました。ありがとうございました (4/22)

昨年に引き続き、スペシャルティコーヒー生産地の中でも、最も重要な国のひとつであるイエメンより、歴史的なスペシャルロットが届きました。
イエメンは近年、長期的に続く内戦の影響で、良質なコーヒーの入手が困難な状況でした。昨年、当店としては7年ぶりに4度目のイエメン・コーヒーをリリースし、母体品種「イエメニア(※)」の発見もあり、わずか6日で完売してしまいました。あの衝撃の香味が忘れられないとのお声も多く、まだ皆さまの記憶に新しいのではないでしょうか。
さらに今回は、昨年リリースしたハラーズ・エリアの中でも、熟度管理を徹底した、より厳選された集落指定ロット『バニ・ナヒミ』に限定したスペシャル・リザーブです。

エチオピアに自生していた野生種の原木を、アラビア人によってイエメンに植えられたのが、コーヒー栽培の起源です。
伝統的な製法、品種が保持されている特殊な産地のため、決して他の産地では体験できない、他のあらゆるコーヒーの香味にも共通することのない唯一無二の個性的なフレーバーを備えています。さらに欠点豆のない厳選された今回のマイクロロットは、まさに奇跡のコーヒーといえます。

こちらのバニ・ナヒミは、西部サナア県ハラーズ地区で栽培されたコーヒーで、集落の各農家で収穫されたチェリーを輸出業者が直接買い付け、その際同時に未成熟や過熟のチェリーを見分けて取り除くような農業指導も行っているそうです。集められたチェリーは同輸出業者の選別乾燥場に持ち込まれます。定期的に水分計測が行われながら丁寧に撹拌が繰り返され、均一性の高いドライチェリーに仕上げられていきます。その後ドライミルで脱殻、選別が施されます。
トレサビリティが明確でないコーヒーが多いイエメンにおいて、このバニ・ナヒミは輸出業者が農家と直接関係を持つため、情報が明確で高品質なコーヒーを生産できる体制が整っています。

豆の香りはまさにイチゴそのもの。バニラやシナモンのアロマ、ドライいちじくやプルーンを思わせる甘味、クリーミーで心地良い粘性に加え、口の中で溶けていくミルクチョコレートのような滑らかな質感もあります。ジンジャー等のスパイシーな風味も備え、発酵臭もなく非常にクリーンです。
また、フルボディで芳醇なウイスキーやコニャックのような熟成度が、温度変化とともにより強調され、いつまでも余韻として続いていきます。

これまでに味わったことのない個性溢れる複雑な香味で、その豊富なキャラクターと上品な口当たりに必ずや魅了されることでしょう。
一般的に流通している、未熟や発酵等の欠点豆が多く混入されている「モカマタリ」とは香味の質が根本的に異なり、多様性のある独特のフレーバーを備えつつ、非常にフレッシュでクリーンな味わいのこのコーヒーは、一度飲んだら一生忘れることがないと言えるほど、強烈な印象を与えてくれる珠玉の逸品です。

かつて輸出で利用されていた港の名称から、「モカ」などという非常に曖昧な表記で流通されることの多いイエメンとエチオピア両国のコーヒーですが、この機会にぜひワイニーでジューシーなエチオピア・ナチュラルと飲み比べて、異なる二種類の複雑かつ贅沢な香味をご堪能くださいませ。

本日よりシティ・ローストにて販売いたします。

生産者 : バニ・ナヒミ村の約50軒の農家
産地 : サナア県 / ハラーズ地区 / バニ・ナヒミ村
標高 : 1,900m~2,000m
品種 : イエメニア
精製 : ベッド乾燥ナチュラル

※イエメニア品種
現在世界に流通しているアラビカ種のコーヒーのほとんどは、イエメンからインド、インドネシアへと持ち込まれ、その後ヨーロッパ経由で世界に広まったティピカ種と、イエメンからレユニオン島経由で東アフリカへ、その後中南米へと伝わったブルボン系品種のいずれかから派生したものです。2020年8月、当該輸出業者が共同研究の結果として「ティピカ系、ブルボン系いずれにも属さず、イエメン国内で独自に発展を遂げた固有の品種グループがあることを発見し、それをイエメニアと名付けた」と発表しました。